マルニくん物語
- 2017.09.08
- B-06 KCRの車たち
かつてロスに住んでいたKSKのもとにBMW2002(1974年式)があった。
パサデナ在住のアメリカ人学生の持ち物だったのを引き取った。彼は、スタンフォード大学への入学が決まり、週末のロスとサンフランシスコの往復にはこの古いビーマーでは耐えられないと考えたようだ。ロスとスタンフォードの往復といえば往年の名作「卒業」を思い出すではないか! あれは真っ赤なアルファのスパイダーだったけど。。。
ま、とにかくそんなこんなでマルニくんが我が家に来たのが1990年。今から考えると相当ムカシ。。。。
小柄な軽量ボディ、パワフルな2000ccのエンジン、足回りと後方視界の良さ、地上の戦闘機と言われたこのBMW2002はやはり期待以上のはしりをするクルマだった。
が、その後10年ばかりガレージに寝たままになる。KSKの転勤やら細かな故障などで、だんだん動かなくなってしまった。
そこに現れたのがKCR Internationalの我が工場長。このマルニくんを見事に復活させてくれた。
エンジンもオーバーホールして新品のような走りをするようになった。
往復約200マイル(320km)の通勤もなんのその。よく走ってくれました。
が、KSKが香港に転勤するとき、このクルマを手放すことになる。
安く引き取られた先は、引っ越し屋のメキシコ人。
このメキシコ人君が、KSKが香港にいる間に銀行強盗と化し、マルニくんを使って数々の逃走を成功させている。いくらなんでもこんな目立つクルマで強盗もないだろうが、何回目かで結局彼はオレンジカウンティの警察に逮捕され、マルニくんは警察に保管される羽目に。。。
時が過ぎ、転勤先から帰ってきたKSKのもとに工場長から連絡が。「マルニ、まだ名義変更されてないよ!」なんと件のメキシコ人君は、KSKの名義のままこのクルマを乗り回していたのだ。
で、警察へ引き取りにいけば、問題なくKSKが引き取れるのだったが、逃走中に車両前部をぶつけていたり、なによりも犯罪に使われた、というのが嫌で結局引き取らなかった。
いま考えると、やっぱり手元に置いておけばよかったかな、とも思うけど。。。
それにしても、あのエンジンのふけあがりの良さ、ハンドリングの良さは、しっかり記憶にのこっております。
また乗ってみたいクルマ。。。。マルニ。。。
KSK